いざという時に備えて知っておきたい!相続税のい・ろ・は

相続の画像

 

まだまだ先だと思っていても、突然やってくることもある両親や配偶者、はたまた兄弟姉妹の死。

ショックで悲しみに暮れたり、葬儀の準備などで忙しい間にも気になるのが相続と相続税申告の確認です。

遺言書や財産に関しての説明が残されている場合であればいいですが、本人が急死したり、残されたご家族などが家計に関して一切関与していなかったりすると、いざ相続となった際にあたふたすることになるでしょう。

本日は、この相続税の基本に関して簡単にご説明したいと思います。

目次

1. 相続税とは
2. 日本における相続税の歴史と世界の相続税
3. 相続税の果たす役割
4. 相続税を支払う義務のある人
5. 相続税が課税されるか決める「基礎控除額」とは?
6. 相続税が課せられる財産
7. 故人の確定申告
8. 財産リスト
9. 分割協議
8. まとめ

1. 相続税とは

相続税とは、両親や兄弟姉妹、息子や娘などが亡くなった際に、これらの人から取得した財産に課せられる税金のことをいいます。(財産を相続する人を相続人、亡くなった人を被相続人と呼びます。)ただし、この相続税は常に課税対象になるものではなく、一定の金額を満たしている場合にしか対象になりません

「5.相続税が課税されるか決める『基礎控除額』とは?」で詳しく説明しているので、確認してみましょう。

2. 日本における相続税の歴史と世界の相続税

日本における相続税の歴史は1905年、明治時代に始まりました。

当時、日本はロシアと戦争しており、その戦争に必要な資金を集めるために導入されたと言われています。

また、この相続税は欧米でも導入している国が多く、先進国ではアメリカやイギリス、フランスやドイツでも導入されています。

しかし、中には相続税を廃止している国もあります。オーストラリアやカナダでは1970年代に廃止され、2000年代に入るとスウェーデンでも廃止されました。

また中国やシンガポールなどのように全く相続税を導入していない国もあります。

3. 相続税の果たす役割

相続税は、一部の人に富が集中するのを防ぐ役割があります。

第二次世界大戦後の日本では、GHQによる「シャウプ勧告」により、最高税率が90%にまで上げられ、財閥などの一部の人に富が集中しないように対策がとられました。

また、その際には長男に遺産が集中しないように改正されました。その後、この最高税率は幾度かの改正を経て下がり、現在では55%になっています。

先ほどは「全く相続税を導入していない国もある」というお話をしましたが、そのような国の多くは発展途上国で、海外の富裕者を積極的に誘致するために設けていない国もあります。

しかし、相続税を導入するためには、個人の財産を正確に把握できるような制度が必要であり、これらのシステムが整えられていないために導入されていないという国も存在します。

4. 相続税を支払う義務がある人

相続税は、基本的に故人の遺産を相続した人すべてに課せられる税金です。

ただし、「基礎控除額」といい、課税されるのはある一定額以上の遺産がある場合に限られます。

また、民法により定められている相続権を有するのは、故人の配偶者、故人の子、故人の父母や兄弟姉妹などであり、血縁関係や婚姻関係に入っている人になります。

平成27年1月1日以降に発生する相続税に関しては、新しい控除額や税率が適用されることになります。これにより配偶者の税額軽減や、最高税率が55%に変更になりました。

5. 相続税が課税されるか決める「基礎控除額」とは?

4.でご紹介したとおり、相続税が課税されるのはある一定額以上の遺産がある場合に限られます。

この基準になるのが、「基礎控除額」です。

基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」と定められており、遺産の額がこの額を越えなければ相続税の課税対象にはなりません。*

逆に、この額を超える場合には、故人が亡くなった日の翌日から10カ月以内に、故人の住所を管轄している税務署に相続税の申告を行い、納税しなければなりません

*基礎控除額の計算方法は以下の通りになります。

(例)遺産を相続するのが配偶者、子2人の場合

基礎控除額=3,000万円+(600万円×3(配偶者、子2人))=4,800万円

この場合、分割前の総遺産額が4,800万円以下であれば申告の必要はありません。逆に、4,800万円を超える場合は申告及び納付の必要があります。

6. 相続税が課せられる財産

相続税が課せられるのは、現金だけではありません。

個人が所有していた土地や建物、株式などの有価証券や預貯金、故人の死亡に際して支払われる生命保険金や退職金(ただし、生命保険金と退職金は一定の金額まで非課税)など、すべての財産が課税対象となります。

このとき注意しておきたいのが、国内だけでなく国外にある財産も課税対象となることです。

さらに、銀行などの金融機関に当人の死が知らされると、その資産は凍結されてしまいます

いざ何かあってからでも慌てないように、どこにどれくらいの資産があるのか、一度ご家族で確認されるのもいいでしょう。

7. 故人の確定申告

故人に確定申告義務があり、納付をせずに亡くなった場合は、相続人が故人に代わりその手続きを行う必要があります

葬儀の準備や遺産の相続などによりついつい忘れてしまいそうですが、とても重要な手続きです。

故人が毎年確定申告を行っていたかなど、財産の額や保管場所以外にも、納税の頻度なども親族内で話し合っておくといいかもしれません。

8. 財産リスト

死後に遺産相続をスムーズに進めるために、予め「財産リスト」を作成しておくのもおすすめです。

ゴルフの会員権などのように、当人でないと知りえないことなどもあります。

また、亡くなった後には、その財産の状況を把握したり、土地や建物の登記事項証明書を取り寄せたりと、かなりの手間がかかります。

そのため、生前から自分の持っている財産をその額と合わせリスト化し、他の家族にわかりやすいように残しておくのもいいかもしれません。

9. 分割協議

分割協議とは、残された遺産を誰がどれくらい相続するのかを話し合うことです。

これは、ご家族がまだ元気なうちから話し合われてもいいでしょうし、そうでなければ税理士事務所が第三者的に分割案を提示することも出来ます

第三者が協議に参加することで、冷静に協議することも出来るでしょう。

大事な家族の財産だからこそ、みんなが納得できるような分割案を提示してもらいましょう。

8. まとめ

いかがだったでしょうか。

葬儀の準備や家の片づけなど、家族が亡くなった後は色々と慌ただしいものですが、そんなときでも忘れてはいけないのが遺産相続と相続税納付の問題です。

あまり何度も経験するものではないですし、計算する上でも税に関する専門的な知識などが必要になります。

少しでも不安のある方は、お近くの税理士さんに相談してみるといいかもしれませんね。