今からでも間に合う 法人税の節税対策をピックアップ(3)

今からでも間に合う 法人税の節税対策をピックアップ(3)

今回は、資産の購入による法人税の節税対策についてお話ししたいと思います。

担当は、税理士事務所 TMコンサルティングの佐久間です。

 

中古車を買って節税対策!

(1)10万円以上の資産を購入すると「減価償却」が必要

10万円以上の資産を購入した場合、購入してもすぐには費用にはならず、数年かけて費用計上(減価償却)しなければなりません。(中小企業者等については、取得価額10万円以上30万円未満の資産であれば、一定の要件を満たすことによって全額を取得期に費用計上することができます。)

例えば、35万円の新品のパソコンを期首に購入した場合は、以下のように費用計上していきます。

 

<費用計上額(減価償却費)>

1年目:175,000円(=350,000円×0.500)

2年目: 87,500円(=175,000円×0.500)

3年目: 43,750円(=87,500円×0.500)

4年目: 43,749円 ※貸借対照表上には1円は必ず残る(残存価格という)

 

このように35万円の資産であっても費用計上するのに4年もかかることになり、耐用年数が長いものであれば、取得価格全てを費用計上するための年数はさらに長くなります。

逆に、耐用年数が短い資産を購入すると早期に費用計上ができ、また比較的高額であれば費用計上できる金額も大きくなるため、このような資産の購入は、節税対策としての効果が高いと言えます。

 

 

(2)節税効果の高い資産の購入方法(step1)

耐用年数が短く、比較的高額な資産の例として中古自動車があげられます。

まず、参考として300万円の新車を期首に購入した場合について計算すると、減価償却費は以下のようになります。(簡略化のため、諸費用などは考慮していません)

 

<新車の減価償却費>

※新品の普通自動車の耐用年数は6年(定率法償却率:0.333)

1年目:999,000円(=3,000,000円×0.333)

2年目:666,333円(=2,001,000円×0.333)

3年目:444,444円(=1,334,667円×0.333)

4年目:297,334円(=890,223円×0.334) ※償却率改定

5年目:297,334円

6年目:295,554円

新車の場合は、取得価格の3割程度を購入した期中に費用計上することができますが、取得価格全てを費用計上するためには、6年もかかります。

 

次に300万円の新車登録時から3年を経過した中古車を期首に購入した場合の減価償却費は以下のようになります。

<中古車の減価償却費>

※3年落ちの中古車の耐用年数は3年(定率法償却率:0.667)

1年目:2,001,000円(=3,000,000円×0.667)

2年目:666,333円(=999,000円×0.667)

3年目:332,666円

中古車の場合は、同額の新車の半分の期間で費用計上することができます。

 

このように同じ金額でも、中古車であれば耐用年数が短いため、早期に費用計上することができるのです。

以上のことから、耐用年数が短く、比較的高額である資産の購入は、節税効果が高いと言えます。

 

 

(3)節税効果の高い資産の購入方法(step2)

(2)では例として3年落ちの中古車を例にあげましたが、さらに古い中古車では耐用年数はどのように計算されるのでしょうか。耐用年数の計算に使われる算式に当てはめて計算していくと、以下のようになります。

 

<中古資産の耐用年数の計算式(簡便法)>

①法定耐用年数をすべて経過している場合

中古資産の耐用年数=法定耐用年数×20%

②法定耐用年数を一部経過している場合

中古資産の耐用年数=法定耐用年数-(経過年数×80%)

(※1)算出年数に1年未満の端数がある場合は端数を切捨、算出年数が2年未満の場合には耐用年数は2年となります。

(※2) その中古資産を事業の用に供するために支出した資本的支出の金額がその中古資産の取得価額の50%に相当する金額を超える場合には、簡便法で計算することはできず、法定耐用年数(普通自動車の場合は6年)により計算することになります。

 

<計算例>

①3年落ちの場合

耐用年数=6年-(3年×80%)

=3.6年 ⇒3年(1年未満切捨)、償却率は0.667

 

②4年落ちの場合

耐用年数=6年-(4年×80%)

=2.8年 ⇒2年(1年未満切捨)、償却率は1.000

 

③10年落ちの場合

耐用年数=6年×20%

=1.2年 ⇒2年(2年未満であるため切上)、償却率は1.000

 

上記の例から、4年落ちよりも古いものであれば、耐用年数は一律で2年となり、

また、償却率は1.000となるため、当期首に購入した場合、実質1年で費用計上することができます。

(2)の例と同額の中古車で4年落ちよりも古い中古車を期首に購入した場合は、

300万円全額をその期の費用として計上することが可能です。

中古資産購入の際に、その資産が最初に使用された時から一定以上の年数が経過しているかどうかに着目することで、より節税効果を高めることができるのです。

 

 

(4)応用的な資産の購入方法

最後に、「いざという時」のための応用的な資産の購入方法について紹介します。

耐用年数が短い資産を購入すると節税効果が高いことは(2)と(3)で既にお話ししましたが、

さらにもう一工夫すると節税だけでなく、会社がピンチのときにその資産を役立てることができます。

それはズバリ、「値下がりしにくいものを買うこと」です。

 

再び中古車の購入を例に考えていくと、中古車(取得価格:300万円、4年落ち)を当期首に購入し、

翌期においても保有していた場合の取り扱いは以下のようになります。

 

<当期>

(3)の計算例より、実質的全額を当期において費用計上

(厳密には300万円全てが費用にはならず、残存価格として1円が資産として貸借対照表上に残る)

 

<翌期>

減価償却が完了しているため貸借対照表上の中古車の価値はほぼゼロ

(帳簿上の価値はなくても実際にはまだその中古車は手元にある)

 

さて、翌期の途中で資金繰りが厳しくなり、この中古車を売却した場合どうなるでしょうか。

仮に200万円で売れたとすると、固定資産売却益として200万円が発生し、200万円の現金が会社に入ってくることになります。(簡略化のため、残存価格や売却諸費用等は考えないものとします)

 

このように帳簿上は価値がなくなっても、実際の価値が高い資産であれば、売却により多くの現金を得ることができます。このことから、値下がりしにくい資産を購入することは、節税だけでなく、会社がピンチの時の保険にもすることができるのです。

 

 

第三回目は以上となります。

節税対策でお悩みの場合は、税理士事務所 TMコンサルティングにご相談ください。